2012年5月15日火曜日




Zlatá rybka −金のさかな−ブログ、始まりにあたって。


俳優・谷口直子との出会いは、2009年の9月。
世界中で活躍する人形劇役者の沢則行氏から、日本から役者の子がチェコに勉強しにくるから、
ビザなど手伝ってあげてということでの出会いでした。
日本から役者がくる!と胸を弾ませて待ち合わせ場所へ行き、オーラがまるでなかったその姿に、まさか役者だとは思わず通りすぎてしまいました。彼女がプラハに到着した次の日で、おそらく寝不足や疲れなどで、青白い生気のない顔だったからです。とういうわけで、第一印象は、少し拍子抜けと大丈夫かな?といった感じでした。

ところが、本来の谷口直子のエネルギーの熱さは、完全に第一印象を吹き飛ばすものでした。
プラハに住み始めてから、彼女の身にふりかかる数々の問題を、まっすぐな姿勢で正面からぶつかっていき解決していきました。
多くの人が事なかれで終わらせてしまう問題も、決して見てみぬフリはしませんでした。
やると言ったらやりきる、そのパワフルさと度胸に、度肝の抜かれることもしばしばでした。
そんな人格に、私自身もだんだん魅了されていきました。

彼女が、文化庁在外派遣員としてプラハに滞在していた際、宮沢賢治の『よだかの星』をモチーフにしたソロパフォーマンス『Yodaka』を演出家のZojaさんと共に制作することができました。
俳優経験の長い彼女も、ソロパフォーマンスは初めてで、しかも外国での上演なのです。
ですが、持ち前のエネルギッシュさで過密なスケジュールの中、やりきりました。
見事に、チェコ共和国でも、スロバキアでも上演を成功させたのです。
その後も、多くの方々から上演オファーを頂いたのですが、彼女の研修期間も終わり、日本へ帰国することになり、またの再演を願いながら、ひとまず『Yodaka』プロジェクトはピリオッドを打ちました。

この度、国際交流基金の助成を受けて、新作『Zlatá rybka-金のさかな』を東欧諸国6カ所で上演することになりました。また、谷口直子とゾヤ・ミコトバーさんと共にプラハでパフォーマンスが作れる機会を得たことに、本当に感謝です。

慣れないブログですが、ちょびちょび製作日誌を書いていけたらと思います。

林 由未

写真は、「Yodaka」プロジェクトの時のもの。私が今住んでいるアパートに引越しした直後で、現在のアトリエとは異なっていますが、製作時の整理整頓ができないのは、今も昔も同じです。



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